なぜマリは必要だったか

シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版のネタバレが含まれます。

エヴァを、エヴァから卒業させるための物語だとすると、腑に落ちることがあります。なぜ、マリが必要だったかです。 当初マリが発表された時は、色々な話がありましたが、私なりの結論を見つけられた気がします。

エヴァに囚われている人を救うには、少なくとも主要な人物にひとまずの決着をつけないといけません。先を想像させてはいけません、そんなことをしたらずっと囚われたままです。なので、明確に未来を書かないといけません。実際に、彼らのほとんどはエヴァのなかった世界で普通に生きることになります。

さて、シンジが選んだのはエヴァのない世界ではありますが、同時にアスカやレイ、カヲルを救うことを決断します。彼らチルドレンを救うのは主人公であるシンジであるのは違和感のない話です。しかし、それではエヴァの一番の主要な人物、シンジ自身が救われません。 じゃあ、誰がシンジを救うのかと旧劇の人物で考えると、なかなか難しいところであります。強いて言えば、結びつきの強いトウジやケンスケになるでしょうか。ゲンドウやユイは、別の役割があるのでなり得ませんし。そう考えると、ストーリーで十分に大きな役割を占める旧劇ではいなかった新しいヒロインが必要になったのではないでしょうか。

ついでに、エンディングでマリとシンジが残ったのも当然だと思ってます。エヴァのない世界には、シンジを除くチルドレンは存在し得ないからです。魂の器になるべき少女、エヴァのためのデザインベイビー、使徒。そのどれも存在がエヴァに起因します。そんな彼らを救うと誓い、新しい世界に配置した世界線では、前回から引き継いでいるシンジやマリとはとは違い、他のチルドレンは決して出会うことはないのでしょう。