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おおかみこどもの雨と雪と御禿様

おおかみこどもの雨と雪の感想が少しまとまってきたので書いてしまおうかと思います。
ネタバレというネタバレはしないつもりです。

そういや細田監督の映画はデジモンをリアルタイムで観たのがはじめでしたね。
あのことはボクのテントモンが!とか言ってた気がします。
サマーウォーズも見てますよ。SFというかネットワークをファンタジー風に書いたものだという認識です。リアルでもバーチャルでの人と人の関係をクローズアップした作品で、誰が見ても楽しめるような映画でした。

そして、今回のおおかみこどもの雨と雪です。

私は面白く観ました。書いて欲しいと思ったところは書いてあるし目に見えた破綻もないですしね。年甲斐なく涙浮かべたくらいです。
なにより、高木正勝の音楽がファンにはたまらない。最近の少し土俗的なところが自然描写とよくマッチしている。彼の映像は抽象的なところがあるので、こういったアニメでの直接的な表現も新鮮でした。

しかし、ですね。ネットの感想を見てみると、もちろんいいことばっかり書いているわけではない。どことなく気持ち悪さがあるという意見がところどころ見られました。何故だろうかと考えた結果をひとつの意見として書いていこうと思います。

まず、この映画の狙っている客層は全年齢向けだと考えます。これは向こうがそう思って創ってるというのもあるし、見る側もサマーウォーズなんかのイメージで観に行っていることでしょう。
全年齢というのは子供から大人まで面白いと感じるものがあったり、子供と大人で違った見方ができるという点があります。そこで、この映画が本当に全年齢向けであるかどうかを考えた時、少し違うのではないかと感じます。
確かに、子供にとっては動物と人間、自然の描写、青年にとっては親への憧れ、動物と人間の間で生きるおおかみこども、大人には懐かしみ、愛情なんてところで要素があるんです。ただ、その要素がちぐはぐでバラバラに盛り込まれているのではないか。その違和感が気持ち悪さとして出てきているのではないか、というのが私の意見です。日常描写の中に突如として人間の汚さがどっと流れてくることが劇中多々あります。いままで、ほのぼのと進んできていきなりそんなところを見せられると肝を冷やします。我々だとそれはリアルな描写であるとして片付けることができるのですが、子供たちにもみえるような所に持ってくるというのが気持ち悪さではないでしょうか。

私はそっちのほうが好みなんですがね。



ああ、あとですね。富野監督が絶賛してましたよね。
http://mantan-web.jp/2012/07/20/20120720dog00m200050000c.html
もうべた褒めですよ。これは、この気持ち悪さを富野監督が評価しているんじゃないかと思いました。
http://wired.jp/2012/07/21/interview-hosoda-mamoru/
こっちは細田監督本人のインタビューですが。ここで、「アニメ業界が長年頼ってきたアニメの記号性を、いったん捨てる。」と言っていて、この目論見が上手く富野の心を射止めたと。積極的に意味付けをしないという手法に戻るというのが、さんざんいろいろやってきた富野には新しく見えたのではないでしょうか。


最初富野監督がそろそろ新作撮りたくてスポンサーとりにきたんじゃないかと思ったのは内緒。