階梯を進む先

ジュピター小松こと小松左京ですが、誠に残念なことですが去年になくなってしまいました。SF研でも追悼せねばなるまいといことで、私が果しなき流れの果にのレジュメを任されました。ついさっき出来たところです。もともと読んでいましたし、好きな作品であったので苦はなく書けました。

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

ということで雑感とこちらにも。

ひとことで言うと卑怯な小説ではないかと思っています。片端から集めてきたSF的なガジェット、哲学的な思考に思想、世界を夢見る情熱がこもった叙情的な文章、まさに日本人ごのみであると言える着地点といったあるとあらゆる要素が詰めこれています。それは、これだけ詰め込んだらどれかには引っかかることでしょう。読めばこれはやられたと頭を抱えること必須。

階梯のあたり若干不可解なところがありますが、勢いがあるので気にはならない。解釈できなくもないですし。

とても惜しい人であったと思いますが、彼が貪欲に望んだ未来を継ぐ人たちはいるでしょう。ご冥福をお祈りして筆をおきます。