思い出を10億年分

私が敬愛する梶尾真治の新刊ゆきずりエマノンを読了

ゆきずりエマノン

ゆきずりエマノン

入っているのは他誌で掲載された4編それで1600+税はちと高い。鶴田謙二の仕事の関係か単純に徳間書店の陰謀か。ソフトカバーなんだから文庫サイズかノベルスサイズでいいのにな。

中身はいつもどおりのエマノンでした。ロマンチックな作品から、異形との遭遇、他の短編の伏線回収とバランスのいいラインナップになってます。強いて変化を言うならエマノンの海外おける活動があったと確認がとれたところ。

シリーズ通しての主人公のエマノンは生命が生まれてこのかたの記憶を脈々と受け継いでいる。エマノンエマノンを産みエマノンとして暮らしていく。いつどの時代でも必ずエマノンは存在するわけで、そんな存在が日本だけで活動しているのはどうも腑に落ちなかった。確かにアメリカに行ったりブラジル行ったりはするのだけど、あくまで現代の話。それが今回遥か昔の韓国で活動していたということが判明。これですっきり。交通手段の乏しい時代なので韓国というとリアルでいいね。個人的に気になるのは戦時中エマノンは何をしていたかなんだけど、流石に汚すぎて書けないのかな。

私カジシンからは凄い影響を受けていたりします。SFの入り口だったり、絵の好みとか、えとせえとせ。一度、彼の住む九州が熊本に行っておきたいのだよね。どんな場所でどんな人がいるのかとても関心がある。行くとしたら、ゆかりの地をめぐろうね。カジシン以外にもさだまさし夢野久作の故郷であるわけだし。