一角獣/多角獣

これで手に入りそうなスタージョンはほとんど読んだことに。

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

不思議のひと触れや輝く断片と収録作がかぶっているのがちと残念。
それでも、マエストロを殺せやビアンカの手が面白いことにはかわりない。

この本は人から借りて読んだのですが、その人がスタージョンは変人しか書かないといっていました。まあ、確かにそうなんですよ。マエストロを殺せの完璧超人のラッチや監房友達のクローリー。一番わかり易いのが輝く断片の主人公ですかね。その変人達はずば抜けているか、底抜けているため、ちょっとおかしなことをするんです。
しかしですよ。スタージョンの書く変人は、生なましいほど人間らしい。つまりスタージョンは変人を通して人間というのはいかなるものなのかを伝えようとしていると思うわけです。そして、スタージョンが伝えようとしている人間はネガティブなものではなく、必ずポジティブなものであるということ。安っぽい表現を使うと人間への愛がある。
そこが私がスタージョンを好きな理由の一つです。